投資の話 その1 貯金あるいは預金という投資の形
貯金と預金は微妙に異なるが、その違いはさておき、これって投資かと考えてみたい。
私なりに結論は、数ある金融商品から意識して選んだのなら、それは投資である。
預貯金は、お金の形の変化形の一種といってもよいかな。
その特性・強みは、流動性といってもいい。あたりまえだが、現金化が簡単にできるし、だから買物もすぐできる。最近では、ほとんどキャッシュレスで買物をできるようにもなった。
でも、その流動性が危険なこともある。毎日、毎日、振込め詐欺等によって、犯罪組織が日本中から大金をせしめているのは周知の事実だ。手口が巧妙、多様になっているとはいえ、考える時間を与えない切迫した状況を演出することは中核的な犯罪技術だろう。
これは、流動性の高い金融商品を狙うからできることだ。
反対に、証券会社の口座にある複数の株式を支払いに考える人だったらどうか?はたと立ちどまり、気持ちを落ち着かせ、どの会社の株が売り時がなんて考え込むことだろう。そんなこと考えるうちに詐欺にあっていると気づきうると思う。
預貯金の便利さはみなわかっていることだから、もう一つ弱点を挙げてみたい。
それは、確かに額面は安定しているとはいえ、その価値自体下落しうるということだ。簡単にいえば、インフレに弱い。
インフレとは、物の価格が上昇すること、たしかにそうなのだが、見方を変えれば、お金、預貯金の価値が下がっていることになる。元本保証のない金融商品をやたらに恐れる方がいるが、インフレが進むのなら、預貯金であってもその分だけ損失しているのである。
余談であるが、インフレが進行していくのなら、理屈上、債務の返済は楽になる。決められた額面で返していくとしても、それはただの額面であって、その重さは軽くなるからである。具体的な例でいえば、住宅ローンを固定金利で借りている人がこの恩恵に当てはまる。