2024年10月 1日 (火)

投資の話 その1 貯金あるいは預金という投資の形

貯金と預金は微妙に異なるが、その違いはさておき、これって投資かと考えてみたい。

私なりに結論は、数ある金融商品から意識して選んだのなら、それは投資である。

預貯金は、お金の形の変化形の一種といってもよいかな。

その特性・強みは、流動性といってもいい。あたりまえだが、現金化が簡単にできるし、だから買物もすぐできる。最近では、ほとんどキャッシュレスで買物をできるようにもなった。

でも、その流動性が危険なこともある。毎日、毎日、振込め詐欺等によって、犯罪組織が日本中から大金をせしめているのは周知の事実だ。手口が巧妙、多様になっているとはいえ、考える時間を与えない切迫した状況を演出することは中核的な犯罪技術だろう。

これは、流動性の高い金融商品を狙うからできることだ。

反対に、証券会社の口座にある複数の株式を支払いに考える人だったらどうか?はたと立ちどまり、気持ちを落ち着かせ、どの会社の株が売り時がなんて考え込むことだろう。そんなこと考えるうちに詐欺にあっていると気づきうると思う。

預貯金の便利さはみなわかっていることだから、もう一つ弱点を挙げてみたい。

それは、確かに額面は安定しているとはいえ、その価値自体下落しうるということだ。簡単にいえば、インフレに弱い。

インフレとは、物の価格が上昇すること、たしかにそうなのだが、見方を変えれば、お金、預貯金の価値が下がっていることになる。元本保証のない金融商品をやたらに恐れる方がいるが、インフレが進むのなら、預貯金であってもその分だけ損失しているのである。

余談であるが、インフレが進行していくのなら、理屈上、債務の返済は楽になる。決められた額面で返していくとしても、それはただの額面であって、その重さは軽くなるからである。具体的な例でいえば、住宅ローンを固定金利で借りている人がこの恩恵に当てはまる。

 

2024年8月 6日 (火)

抽選方式による都営住宅入居者募集に応募するノウハウ

正直、不案内な分野なのだが、問合せをいただいたので少し勉強してみた。私なりに、そのノウハウをまとめてみよう。

基本的な制度運営理念についていえば、”都民に住居(集合住宅の住居区分として)を提供する”ことである。とはいえ、普通に考えれば民間のマンション、アパートも選択肢としてある。安い賃料で福祉的に住居を提供するのであるから、それなりの制限があるわけである。

現在募集中は、年4回の2回目、いわばシーズン2。8月1日から、半月の間に応募し、秋に当選すれば関係書類を提出し、審査を受け、希望すれば当選物件を内覧でき、来年春以降に入居が可能となるそうだ。

第一の関門は抽選。電話で確認したのだが、公平なくじ引きだそうだ。しかし、最初の応募の段階で、どのカテゴリー(当選後それぞれ条件に合致しているが審査がある)で、応募上どの物件かまで指定しなければならない。かつ、複数応募はできない。

一例を挙げてみよう、、

住居を確保したい人が、60歳以上、都内在住3年以上、車椅子の使用はなく、災害罹災者でもない、不動産を所有せず、暴力団員でないが、年収低め(審査上特有の計算方法がある)だとしたら、「単身者向の入居資格」カテゴリーで応募してみてはどうだろう。賃料はかなり安い。保証人といった制度もないようだ。ただし、特段の状況が発生したとき、当局からの連絡先となる人を指定する必要がある。

しかし、大きなハードルといえばその倍率だろう。前回は平均34.4倍だったそうだ。ただし、これはあくまで平均である。

重要はことは、申請する「申込地区番号」だ。
「申込地区番号」とは、応募に際し記入する番号だが、特定の物件を指している。

特定の物件として、
都内の所在地、間取り、エレベーターの有無、バリアフリー使用の有無、木造住宅密集地域内であることの有無、使用料、そしてなんと、いわゆる事故物件の場合は、死因と死後何日後かまでのデータを開示している。

このような事情から、倍率は相当に幅があり、ご自身の都合に合わせ、最初に物件を選び抜くことが肝心なのである。

ご興味のある方は、弊所までご一報ください。

 

 

 

 

2024年3月29日 (金)

集合住宅の名称を考える その1弊所の建物

土地活用の手段として、集合住宅を選択する方も多いと思いますが、その連載では名づけ方について検討してみたいと思います。

まず手始めに、「近藤行政書士事務所」の所在地ビルの名称を考えてみます。

その名前は、「ヤングライフ霞ヶ関」です。1部屋のみ、いかにも単身者向けの印象を受けます。私としては、独立した仕事場としてこれで十分なので事務所として開設しています。

ヤングライフ、、、最初は、地方から上京し、大学に通う大学生などを想定していたのでしょう。

そして、霞ヶ関?最初は違和感を感じました。どちらかといえば、田舎です。歩いて2分で釣りができるような場所ですから。わざわざ都心の官庁街の名称を付けるなど、地方出身者をだましているような印象を持ったくらいです。

でも、それは間違いであると後から判明しました。なぜなら、この地域の歴史的名称だったからです。

大屋さん失礼しました。そして恐れ入りました。

このあたりは歴史的に境界線となりやすい地形なのです。多摩川に大栗川、乞田川が合流するような場所ですから、”関”があってもおかしくはありません。また、こういった地形なら川霧、霞が立つことこともかつてはあったのだと思います。

なかなかイメージが広がる名称として見直した次第です。

建物の名称を考える際、ここで一つヒントがありました。それは地域の歴史を掘ってみることです。

2024年3月19日 (火)

土地活用のかたちその1 市民農園

自宅の近くにそこそこ広い畑がありました。四季折々の作物が栽培されのどかな田園の風景でありました。高齢のご夫婦が作物を作り、近隣に販売もしていたのですが、今回の冬は作物を育てる気配がなく、春めくと一面にホトケノザ(つまり雑草)が繁茂していました。

ああ、ご高齢のため耕作放棄かと、残念に思っていました。そしてある日塀の一角が壊され、工事用の重機が入ったのでついに土地が売られ建売住宅地になるのかと、内心残念に思っていたのですが、みるみる区画が整備され、いわゆる市民農園が完成しました。

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地元の古い農家と思います。蔵までお持ちです。伝来の土地が引き続き農地として生かされ、緑地が保たれたことに安堵した次第です。

2024年3月10日 (日)

雑司ヶ谷墓地と新しい埋葬のかたち

休日に近くを通りかかったので、雑司ヶ谷墓地を初めて訪ねてみました。

交通手段は、都電荒川線です。都電雑司ヶ谷駅は、その直近の駅となります。

この路線に乗ること自体まだ2回目ですが、”ああ、東京に来た”と感じる路線です。若しくは、東京というよりすこし古風に帝都かもしれません。

鬼子母神、庚申塚、飛鳥山、そして面影橋など、この路線の駅名には、江戸由来の歴史や文学の香りを感じさせます。

面影橋駅の標識は、白地に黒のペンキ表記からよりモダンに変わっていましたが、この物語でも始まりそうな名称は私にとってとても印象深く、最初に見たときはわざわざ白黒フィルムで駅名を撮影したほどです。

そして、雑司ヶ谷墓地へ。著名人の墓の案内もわかりやすく掲示がありました。このためその著作を通じてお世話になった小泉八雲先生の墓参はすぐにできましたが、八雲の英文学のライバルであった夏目漱石先生への墓参も果たしました。

あとおぼろげな情報ですが、獄死者たちの納骨堂もここだった、のかな?と思いつきましたが、見つかりませんでした。

以上前置きです。

本題は、新しい墓の形です。昨今家族の形が多様化しているというか、混沌としていて墓の形も急変しているようです。

散骨、有志の集合墓、樹木葬は新しい形としてすでに定着しているといえるでしょう。一方、一つの姓で〇〇家の墓といった旧来の形式はどうなっているか。

当然、継承者がおらず荒れた墓、墓じまいで消えていく墓は多いと思います。一方旧来の体裁を改変した新しい墓の形も散見することができました。それは、異なる姓を表記した墓です。とりあえず血縁なら姓が異なっても良しとする形なのでしょう。

そもそも、一つの姓で〇〇家の墓を単一の家系で継承していく形は、戸籍が整備され、また火葬が普及した明治以来の主流なのであって、とりたてて重要な、伝統的な価値感の裏付けがないように考えます。ましてや、宗教上の禁忌に触れるものでもないはずです。

というわけで、少し広めの家族関係をイメージし、故人をしのぶ縁(よすが)をもとめるのなら、こういった形を躊躇する必要もないでしょう。

 

 

2023年12月19日 (火)

大栗川と釣り

この地域の土地勘のない人に多摩市を紹介するとき、

”東京とはいえ、まだまだ田んぼが残っているし、釣りのできる川もあります。東京ディズニーランドほど有名ではないけれど、キティランドは外国でも知られた遊園地です。”とか何とか応えている。

”釣った魚を食べてます。”とまでいうと少し驚いてくれたりする。

そこで、大栗川釣り事情について書いてみたい。

この川で釣りをする人は少数ながらいる。ただし、その多くはルアーで割と大物、バス系を狙っているようだ。

一方、私の場合、生エサで地味に雑魚を釣っている。

その種類は、

カワムツが多数で、オイカワ、アブラハヤ、クチボソ、ニゴイなど。そしてこれまで一度きりは、ナマズとブルーギルだ。シシャモサイズを超えられれば、ちょっと嬉しい。また、釣りの対象ではないが、この川にはシマドジョウ、カマツカも生息している。

悠々と泳ぐ鯉は、腹の足しになりそうだが、臭みを抜くため、清流に留めておくなど特段の処置が必要だろう。とても一般家庭でできるものではない。他方、先の雑魚系は、内臓をしっかり取れば淡泊で美味である。

洗って、内蔵取って、塩を振り、片栗粉をからめて、フライパンで炒めればいい感じのおつまみになる。

 

2023年9月14日 (木)

行政書士の事件簿 宅地建物取引業の許可 その1 最初に重要なこと

つまり、不動産屋さんを開業するには?ということです。以下東京都の例を基に書いてみます。

よくある例は、取引士(宅地建物取引士)の方が、会社を設立し、会社として許可を取得する場合です。

会社の設立も大切ですが、その前の確認事項があります。確認事項とは、取引士としての所属がどこにあるか、です。現在特定の宅建業者への登録があるなら、これを解除しなくてはなりません(許可後、新しい所属に登録する手続が必要です)。

次の一歩とは、それは事務所の場所を決める、ことだと思います。

事務所のありかたは、費用と許可要件の点で重要です。安上がりに自宅の一部を事務所としうるか?といえば、できないわけではない。

ただし、きっちりと区分されているかどうかを、図面と写真で裏付けを求められます。この原則は、同じフロアに別事業者の事務所があるような場合でも同様な課題です。

かなり昔の事案ですが、一戸建ての家の一室を事務所をした場合、玄関が出入口では不可なので(住居と区分されない)、庭から一階のリビングに出入りすることとしました。×〇不動産、のような表示も必要ですが、庭に譜面台(本来、音楽の楽譜を置く道具)を置いて、会社名を印刷して載せました。そして写真を撮りました。

全く形式的なアレンジですが、なんと、これでも許可を得ることができました。今ではとても無理でしょうね。

一方、新規に事務所を借りることは、出費的にも大きな決断ですので、そもそも無理な物件を急いで借りないことが重要事項です。

また、都市計画法などの規制により、事業所を置くこと自体が制限される場合もあります。

次の一歩は、会社を設立することです。場所を決めたのなら、株式会社か合同会社か、事業内容の記載はどうするかこれが課題になります。

事業内容の記載(登記上の”目的”)についていえば、「不動産業」はあいまいすぎ、「宅地建物取引業」ならそのままなので問題ないはずです(許可事例未確認)。私の知る限り、より含みを持たせて、”不動産の賃貸・管理・仲介・売買”とした場合の許可事例があります。この「仲介・売買」の部分が宅地建物取引業に相当するのでOKなのでした。法務局の 会社登記の基準と宅地建物取引業の許可基準は別なので、表現に迷ったら当局に確認を取ることをお勧めします。

(続く)

 

 

2023年4月12日 (水)

住所の話 その1 この事務所の例

さて久しぶりの記述です。最初は、住所の表現の仕方について書こうと思います。

ところで私の事務所は、3年前に移転しました。

(旧 )多摩市一ノ宮2丁目11番地の21京王電器ビル303号室

(現在)多摩市関戸5丁目22番地の11ヤングライフ霞ヶ関302

と、いった具合です。

私は多摩市に拠点を置く事業者です。つまり、この場所を拠点として仕事をしているので”生活の本拠”の一つでもあります。

ただし、住民票にある現住所とは別となっています。

”生活の本拠”とは民法にある表現で住所の定義にあたります。ですので、現在の事務所の場所を住所といっても誤りではありませんが、素直に表現すれば”事務所所在地”というべきでしょう。

では、これがどのように問題になるのでしょうか?

私の仕事上、委任状が前提になる場合が多いのですが、当然肩書を使った仕事上なので、

氏名 (行政書士)近藤哲郎

事務所 多摩市関戸5丁目22番地の11ヤングライフ霞ヶ関302

として受任者として記載しています。この根拠資料は行政書士証票となりますが、公的な身分証の一つです。

この委任状を添付して官庁に色々申請しますが、書式上、申請者の氏名、住所といった欄が通常あります。

すると、事務所は住所ではない、と官庁窓口担当者が問題視する例がときどきあります。士業慣れしていない部門や新任の担当者が多い年度初めなどありがちだったりします。

結局ダメ、ということは経験にありませんが、運転免許証も追加提示することで収める場合もあります。

確かに運転免許証は、写真付きで住所は住民票(住民基本台帳)と連動していますから、強力な本人確認ツールですね。

以上の件をもう少し一般化して考えてみますと、社会生活上、”どこのだれ”が問われることが多いわけです。この”どこ”が現状と相違のないようにすることは、大切なことだと思います。特に、人の移動が多いこの時期は。

 

 

 

2021年2月15日 (月)

軽貨物運送事業について その3 屋号

この仕事を始める、つまり届出によって始めることができるのですが、事業の届出書の氏名又は名称欄のとなりに「通称名」を記載できます。

これは、いわゆる屋号のことです。個人事業に「株式会社○○」とはできませんが、「○○運送」と名付けることは可能です。

開業にあたり大手通販サイトの依頼しか仕事の受注を考えていない、、だからいらない、としたらちょっともったいない気がします。

従業員(=労働者)なら、仕事の量如何に拘わらず給与が発生しますし、会社も負担する社会保障が付きます。しかし、独立した個人事業主にはそれがありません。

とはいえ、仕事を選び多方面から受注する裁量がありますし、人を雇って事業を拡大することだってできます。そのためには、ただの個人名というわけにはいかないでしょう。

仕事を積極的に取得するのなら、名刺なりウェブサイトがツールのはずですが、その前提は、当然屋号ですね。

 

 

 

2020年12月22日 (火)

軽貨物運送事業について その2 一般の運送運送との違い

軽貨物の申請をお話する前に、路線バスの営業所の様子をお話してみたいと思います。

つまり、大規模な運送業(バスなら人が対象ですが)と比較してみると、かえってわかりやすくなるからです。

恥ずかしながらバスの中に忘れ物をしたため、路線バスの事業所をたずねたことがあります。

ちょっと街はずれにとても大きな駐車スペースがありました。事業所ビルに入ると、ちょっと雑だけど活気のある生活感を感じます。

一仕事終えた運転手さんたちが、やれやれって様子で続々帰ってきたり、くつろいでワイワイ雑談しているからです。

豪快に小銭を回収する様子も見ました。

仕事がら、朝早かったり、夜遅かったりするわけで、奥の方には、横になって休む休憩スペースがあるようです。

これだけ見ても、自動車運送事業という分野は、自動車を駐車する場所、運転者が休む場所が肝心と分かりますね。

あと加えるなら、料金でしょうか。不特定多数の人を対象に、大量のサービスをこなしていく、つまり公共性が高いということなので、それなりに規制、監督があるのだろうとも推測できます。

基本、自動車の運送事業は、旅客、貨物の二分野になりますが、その許可のポイントは以上のようなものになります。

具体的に、”現物”が審査される点でも、難易度の高い申請といえます。

一方、貨物軽自動車運送事業はどうか?といえば、これは届出なんですね。形式的な書類審査ですみます。

でも、、どこの誰が、誰を責任者にして事業所を持ち、料金体系を定め、運転手の休憩場所、駐車場の使用権原を持っているか?

この仕事を始める場合に必要な届けですが、しっかりこれらのポイントが載ってます。

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